資料請求

探究学習

答えのない課題と向き合うための自分の価値観を養う

 社会にある様々な課題は、一つの視点だけでは決して読み解けません。関わる人やコミュニティ、つまり文化や価値観の数だけ答えがあるともいえるのです。啓明学園が考える「探究力」とは、自分の価値観を軸にしながら、他者の思いを受け止め、他者のためにできることを考えていく力です。

Peacemaking Project

自ら問いを立て、学びを深め、思考力を磨く探究のプロセスを体験

 本校では中3~高3まで週1時間の探究の時間を設定しています。この4年間を通じて、生徒たちは個人またはグループで様々な課題に取り組みます。探究のプロセスを体験する過程で、自ら問いを立て、学びを深める力を獲得していきます。
 探究学習において、特に大切にしていることの一つとしてあげられるものが「思考の可視化/言語化」です。自分のアイデアに共感してもらい、課題解決に向けて仲間たちと協働するためには、ことば(書きことば・話しことば)によるコミュニケーションが不可欠です。レポート・プレゼンテーション・ディスカッションなど、多様な形のアウトプットを繰り返し、「伝える力」を育みます。

啓明学園の探究学習のサイクル

  • 問いを立てる(自らの興味関心から社会に対しての素朴な疑問を立て、リサーチクエスチョンへ昇華する)

  • 知識・情報を集める(調査・観察・実験により具体的な事実を集積する)

  • マッピング(知識・情報の整理/学問分野への位置づけ)・分析(抽象化)を行う

  • 他者との議論(関わり)を通じて、自らの思考を形成・止揚する

  • 結論・考察・提案を言語化/表現する(振り返りの中で自身の知識や価値観についてのメタ認知を行う)

  • 研究の過程で出た限界やさらなる疑問を問いの形で表現する

Peacemaking Projectの流れ

【中3】 身近な問いをテーマに探究の基礎を学ぶ

 学園の多様性を生かして、生徒にとって身近な話題を題材とするグループディスカッションで相手の意見を聴く力、自分の意見を説明する力を学びます。また、着眼点や情報の集め方やまとめ方といった「自らの思考の癖」を理解することもこの学年のテーマです。


【高1】教科横断型学習で、問いを社会に・世界に広げていく

 高1のPeacemaking Projectでは、「平和」「気候変動」「環境破壊・資源の奪い合い」「貧困・開発」「フィランソロピスト」「境界・アイデンティティ」「ジェンダー・不平等」の7つのテーマを扱います。どのテーマも複数の教科と連動しながら、探究します。生徒同士の話し合いでは、多様な文化的背景を持つ本校ならではの多角的な視野を得ることができます。


【高2・3】 社会と接点を持ちながら探究を深める、抽象的な概念を自分化する

 まずはグループ探究で学びを深めます。文献やインターネットだけでなく、校外の専門家と連絡を取ったりフィールドワークに出かけたりしながら、より多様な意見・情報を集めます。高2の後半では、グループをさらに細分化し、それぞれのテーマについて深めたい内容をまとめていきます。
 探究学習で触れる社会的・国際的なテーマから気づく様々な課題を、身近な世界に落とし込みながら「自分ができること」を考えていきます。

“生徒自身が気づく”授業で探究思考力を伸ばします

 「主体的に学ぶ力」「考える力」のためには、「問題意識を持つこと」や「自分自身で課題を発見すること」が欠かせません。このため、ワークショップ形式の授業を様々な教科で取り入れています。
 本校の理想は、“教える”よりも“気づく”授業。テーマ設定や進め方など、授業デザインの研究を日々続けています。

Math Quest(マス・クエスト)

数学×他教科の教科横断型学習

 中学3年間は週1時間、「数学×音楽」「数学×美術」「数学×理科」を組み合わせた教科横断型学習を取り入れています。授業での学びが実社会でどのように使われているかを体験し、数学に対する関心を深めることが狙いです。
 Math Questの時間は、調べ学習をしたり、実験をしたり、キャンパス内の自然を使ったりとワークショップを中心に展開。疑問や不思議を生徒に問いかけ、共に答えを考えることで、「探求」する楽しさを実感できるようにしています。

2023年度実施例

中1

演奏時間を計算し、コンサートの計画を立てよう【数学×音楽】

楽譜にはどんな情報がありますか? という問いかけに始まり、♩=120などのメトロノーム記号の意味、4分の4拍子の曲では1小節に四分音符がいくつあるか、などを知った上で、合計10分に収まるように讃美歌コンサートを企画。グループごとに計算し、一人1曲ずつ選びました。

中2

自然の中の幾何学模様柄(フラクタル)を探そう【数学×理科】

幾何学模様とは円や正方形や三角形などで構成された模様のことをいいます。そのような模様は、この世界にはたくさん存在します。幾何学模様について、数学・理科の双方から考察することで、図形のもつ新たな一面や性質を発見していきます。

中3

パスタブリッジの制作に挑戦!【数学×理科】

「橋」を知らない人はいないと思います。橋は、私たちの生活になくてはならないものです。そこで、身近な構造材料として、茹でていないスパゲティを使ってトラス橋の模型を作り、簡単に橋の強度を調べる実験として、その耐荷重を競いました。

2025年度より中学探究学習が本格始動します

国際理解の日

20年以上続く伝統行事

 年ごとに特定の国や地域をテーマにして、様々な課題について自分たちで調べ、話し合い、考えたことを発表する行事です。代表生徒の発表に加えて、海外の専門家や卒業生、在校生の保護者による講演会も実施しています。
 テーマになった国や地域出身の生徒にとっては、自分が育った文化・ルーツをあらためて知る機会にもなっており、アイデンティティを高めることにもつながっています。2023年度は、「ドイツの教育」というテーマで実施しました。中1は「ドイツの学校教育についての基本情報」、中2は「ドイツの現地学生へのインタビュー結果」、中3は「希望の職業に就くために、どのような進路選択をしていくのか(ドイツ・日本の教育制度を比較しながら)」に ついて発表しました。

グローバルワークショップ

中1~中3の縦割りグループでディスカッション

 「自分の身の回りのことから世界を考える」を主なテーマとしてワークショップに取り組む一日です。専門家による講演を聴いた後、中1~中3の生徒が学年混成のグループに分かれてディスカッションします。
 各グループの議論は中3生がリード。探究学習における調べ方や、発表の方法を生徒たち自身で深めていきます。

グローバル講演会  

世界市民として必要十分な資質を養う

 グローバルに活躍されている方の講演から、世界の課題と現状について考えるプログラムです。2023年度は「イタリア文化~歌曲や芸術~」と題して、テノール歌手の栗原光太郎さんの講演を聴きました。イタリアと日本の文化や芸術の違いについて、留学経験や現在の活躍をイタリア歌曲を通じてお話いただきました。生徒からの質問には声楽のテクニックやピアノの技術の質問などがあり、多くの学びを得ることができました。