理科:4年生・電気のはたらき
- 日常
4年生の理科では、1学期の最後に、回路と電流について学習しています。3年生のときに習った豆電球と乾電池のつなぎ方を復習すると、子どもたちから「ソケット」「導線」「回路」という言葉が出てきました。
今回は乾電池を2個使って、豆電球の明るさをコントロールすることに挑戦です。乾電池1個をつないだときより、豆電球が①もっと明るくなる回路、②同じくらいの明るさになる回路、③明かりがつかない回路を班ごとに試行錯誤して探しました。
電気を消した理科室では、豆電球のほのかな明かりがはっきり分かりました。「ついた!成功だ!まぶしいくらい明るい!」直列回路を発見した子どもたちは、とても興奮しています。回路の名前は「太陽」「ミッキー」「ハート」「八の字ともしび」など、形や明るさに結びつけて、自分たちで命名します。
偶然の発見で、並列回路が見つかった班もありました。「乾電池が2個なのに、1個と同じ明るさになっている!不思議!」と明るさに驚いて、みんなに共有していました。名前は不思議回路、略して「ふしかい」です。他の班の人に試してもらうと、さらに不思議なことが出てきました。乾電池をまだ1個つないでいないのに、すでに明かりがついているらしいのです。乾電池を外したり、つけたりしながら、その理由を考えていました。
結果を全体で共有していると、さらにおかしなことも起こりました。もっと明るくなると他の班が発表した回路をそっくり真似したのに、なぜか明かりがつかない班があったのです。「導線の色も同じにしたのに、なんでつかないの?」と困っている声を聞きつけて、クラスのみんなが集まってきました。
「ソケットに豆電球はちゃんと入っている?」「乾電池の電池がないのかも。」「回路の外れているところはない?」みんなで知恵を集めて原因を探ってみても、明かりはつきません。煮詰まってきた頃、ある男の子が、「乾電池の箱の向きを変えてみたら?」と声を掛けました。試してみると…「えっ!ついた!すごく明るい!」と大成功。提案した男の子は「研究者になった気分。」と嬉しそうに笑っていました。
みんなの実験結果を集めて、結論を出す話し合いでは、「すべてが輪になっている。」と意見を発表した人がいました。すると「丸とはちがう形だと輪とは言えない。」「輪が2個のときは、輪ではない。」と反論が出て、討論が始まりました。いちばんみんなが納得したのは、「みなさん、縄跳びをしているときにこんな風にねじれたことはありますよね。それをほどいて丸にしたら、輪になります。だからどんな形でも、つながっていたらそれは輪だと思います。」と生活経験をもとに話した女の子の言葉でした。そして2個の輪は、新しい名前を考えることになりました。このように実験を通して、原理や法則を見つける喜びをみんなで味わいながら、電気回路の理解を進めています。